何気なく食べていた【ひじき】の事がよく分かる!
ひじきは元々黒くない?収穫は手作業?旬はいつ?
意外と知らなかったひじきのコトが5分で分かる記事です。
日本人に馴染み深い割りに意外と知られていないひじきは、加工技術の進歩で年中美味しく食べられます。
今回は水で戻すだけでいつでも美味しく食べられる乾燥ひじきに重点を置き【収穫から出荷まで】をご紹介していきます。
記事にしてほしい魚、内容があれば教えてください
最初に
煮物といえば、ひじきですよね
低カロリーでダイエットにも最適なひじきは小学校の給食にも出るし、毎晩の食卓にもよく並んでいると思う。
知らないならたぶん日本人じゃないと思う。(言いすぎ)
馴染みが深いひじきだが、いつが旬か知っていますか?
海藻類の旬は春。
従ってひじきの旬は【春】です。
これは分かりますよね。
最近は乾燥ひじきも沢山流通しているので年中美味しく食べられる。
ありがたいことです。
もう1つクイズです。
実はひじきは元々黒ではありません!
さて、何色でしょうか??
答えは・・・
茶色です
意外と知らないでしょ?ひじきのこと。
前置きは以上で、本題に入ります。まずは
【ひじきの製法】
から見ていきましょう。
ひじきの加工方法は2種類
第一にひじきの加工方法には主に2種類あります。
※メーカーによって少しずつ違うのでその他製法もあります。
- 房州製法
- 伊勢製法
流通しているひじきの8割近い製法は②の伊勢製法になります。
基本的には「伊勢製法」「房州製法」共に、ひじき以外添加物等は使いません。
この2点の大きな違いは煮詰める前の工程である。「房州製法」では、塩抜きをする工程がない。
ではこの製法について順に見ていこう!
【収穫から出荷まで】
房州製法:乾燥ひじきの作り方
まずはシェア率が2割の房州製法から。
使用する部分も通常とは違うので、是非勉強してほしい!
ひじきを収穫する
ひじきの漁場は、波打ち際の岩場。
ひじきは3月から5月が収穫期でその間に刈り取らないといけない。
期間限定な理由は、時期を過ぎると固くなり食用に向かなくなるから。
この期間でひじきを刈り取らなければいけない。
その為、1日に刈り取るひじきの量はなんと
1トン
補足しておくと、象より重いです。

象は最大700キロ
潮の満ち引きの関係で6時間で1トンを取らないといけないし、水中で足場も悪い中行うひじき漁は想像よりはるかにきつい。
1トン=軽トラック3台分
房州ひじきの特徴
茎から枝状に葉が分かれていて普通は葉の部分がひじきになりますが房州ひじきは違います。
茎と葉をどちらも使うのです。
歯ごたえがシャキシャキ。
収穫が終わったら一番大変な作業が待っている。
ひじきをトラックに積み込む
ひじき漁最大の難題は獲れたひじきをトラックまで運ぶこと。
岩場の後は砂浜・・・。トラックは入って来れないのでこれを何往復もして運びきります。
煮る
トラックへ運んだ後は、収穫したひじきを漁港:加工場へ運び煮ていきます。
この工程でひじきの色がかわっていきます。
まずはひじきを洗う作業から。
おいしいひじきにするために真水で海水の塩分と汚れを落とす。
水洗いした後に即座にドラマ缶で煮込む。
煮込みはじめるとひじきに変化が
ここまでのひじきは茶色ですが熱を加えることでついに色に変化が現れる。
ひじきの色素が熱に反応し緑色になります。
実はこれ、わかめと一緒です。わかめも最初は茶色なんですよね。
加熱をすることで鮮やかな緑色になるのです。
ここから4時間ずっと煮込み続けて塩と苦味を取り除く。
袋詰め
煮込んだひじきを天日干しで乾燥すると水分が抜けて
ここでやっと黒色になる。
水分も抜けたことで長期保存も可能になる。
乾燥したひじきは大きくひとまとめにしてから最後に袋詰めをして重さを計り、ラベルを印字。
完成した商品は全国各地へ出荷されていきます。
ひじきの製法のうち2割程の房州ひじきは最初から最後まで漁師さんが手がけることもあるそうです。
おすすめの房州ひじき
ココがおすすめ
伝統製法により、葉と枝の部分を使った房州ひじきは食感がシャキシャキ!
伊勢製法:乾燥ひじきの作り方
工程の順番が変わってたりしますが、基本的に作業内容は房州製法と同じになるので画像などは割愛します!
ひじきを収穫する
収穫の工程は房州製法と全く一緒になります。
乾燥
ここが大きく違います。
収穫したひじきはその場で天日干しにし、一度袋詰め。
そこから加工業者に運び込まれて、洗浄し水戻し:水洗いされます。
ここが塩抜きの工程になるのでしょう。
房州製法は乾燥せずその場で煮込む
蒸煮
伊勢製法のひじきは基本的に蒸煮になります。加工場で蒸されることにより渋みが抜けます。
袋詰め
再度乾燥させたら、ここからは房州製法と同じで袋詰めにして出荷。
全国各地へ送られていきます。
伊勢製法の乾燥ひじき
ココがおすすめ
海外産のひじきと比較すると、少し小ぶりだが味や歯ごたえがとても良い!
まとめ
- ひじきの収穫時期は3月から5月だけ。
- ひじきの出荷までで一番大変なのは収穫作業(トラックへ運ぶ)
- ひじきの製法は大きく分けて2種類で、そのお陰で1年を通して美味しいひじきが食べれる
春が旬のひじきを年中美味しく食べれるのは、漁師さんが3月から5月の間に精一杯収穫してくれているから。
そして長年続いてきた伝統製法により各メーカーが作る乾燥ひじきのレベルが高いからです。
馴染みの深い物についてこんなに考えることも普段ないと思いますので、この記事で少し【ひじき】のことを知ってもらえたら何よりです。
最後に補足
乾燥ひじきはメーカーによって加工方法が細かいところで違っています。
水洗いの方法と時間、煮るのか蒸すのか、原料も産地が全く違います。
パッケージの表や裏を見れば産地が書いてあったりしますが、圧倒的に国産が美味しいです。
値段は張ってしまいますが、食感も違いますし伝統製法で作られたひじきは極上なのです。
日本の漁師人口は年々減っています。
手間隙掛けて作られる【ひじき】をみんなで食べて漁師を応援しましょう!