2019年夏・・・。あるニュースを見て僕は驚いた。
「初さんまが水揚げされました」
いや、まだ6月ですけどwwwwwwwwww
2019年、令和元年から冗談が過ぎないか???と思ったんですけど、どうやら本当だったようで。。。
秋の風物詩・秋の味覚といえば
秋刀魚(さんま)
刺身でも焼いても煮ても良しの美味しい魚ですね。僕も好きです。
最近ではアニサキス問題で有名になったこの秋刀魚ですが(不名誉、ごめんよ)、今年はまた別の話題が持ちきりになっています。
関連:魚を料理するなら知っておきたい!アニサキスの正しい予防!
まだ6月なのにスーパーやデパ地下で秋刀魚が置いてあります。解凍さんまなら比較的年中見るのですが。
今回はちょっと訳が違います。6月に【生】秋刀魚が出回っているのです。
「さんまの時期にはまだ早くない?」
疑問に思ってた方も、この記事を見れば色々と知ったかぶれますww
結論を先に書きます。
さんまの漁が通年解禁されました。
つまり、これからは年中さんまの漁船が操業できるようになるのです。旬の秋以外にも生さんまを食べれることになるんでしょうか。
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この記事をざっくりと
- 秋の風物詩、さんまに異変!?秋を前に秋刀魚が店頭に並んでいる謎。
- 何故、漁が通年解禁になったのか?
- さんま漁船の通年操業について思うこと
記事にしてほしい魚、内容があれば教えてください
本来、秋刀魚の旬は秋
日本人なら子供の頃から馴染みのあるであろう秋刀魚だが、紅葉の綺麗な9月頃から食卓に並び始める。
毎年9月〜10月の1ヶ月ほどが最盛を極めるさんまは、9月初めの「初物」の価格が倍程で取引されますが、水揚が安定すると半額程度まで下がります。一番脂ののっている時期は9月の走りから10月末まで。旬が終わりに近づくと同時に脂ののりも少なくなってきます。

綺麗・・・
漁の解禁は夏から(2018年までは)
2018年までは水産庁の取り決めにより、大型漁船でのさんま漁は8月から12月に限られていました。
北海道の小型船は7月から稼働できました。(解禁時期の違いの理由は遠くに行けない小型漁船に配慮して。)
これが今まで。
2019年、令和を迎えて水産庁がある決断を下す。
さんま漁の通年解禁。
何故ここに来てさんま漁の通年操業が解禁されたのでしょうか。
さんま漁の通年操業が解禁されたワケ
理由としては、大きく分けて2つあると思う。
1つ目に、さんまの長期にわたる不漁。
毎年20万~35万トンあった水揚げ量は、15年以降は激減し、17年には7.7万トンに落ち込んだそう。
理由として、温かい水を嫌うサンマが、温暖化により日本近海に来なくなったことが原因とされる。
2つ目は、昨今の日本食ブームの影響。
魚の生食文化(刺身やお寿司)は本来、日本ばかりのものだったのですが、最近はネットの普及(YouTubeとか)によって世界中で魚の生食が広まっています。というか、日本食が広まっている。
つまり、海外で秋刀魚(さんま)の消費量も多くなっています。秋刀魚だけではなく、タコもそうだけど、魚介類が軒並み値上がりしている原因の一つです。
以上2点より導き出されるさんまの通年操業が解禁された理由は
①温暖化で近海にあまり秋刀魚が来なくなったから早めに遠くに出て獲っちゃおう。
②秋刀魚が海外の漁船に獲られる前に獲っちゃおう。
うーん・・・この。
旬の時期以外の秋刀魚は美味しいの?
僕としては旬の8月~12月以外はあまりオススメはしません。
何故なら(経験上)まだ痩せ細っていて脂があまり乗っていないから。さんまの寿命は長くて2年だったと思うので、しっかり脂を蓄えてクチバシが黄色くなってくるまでは昨年の解凍さんまの方がよっぽど美味しいと思います・・・。残念ながら。
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さんま(秋刀魚)の本当においしい焼き方
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果たしてさんま漁の通年操業解禁は正しいことなのか。
ここから少し真面目になります。
いつも真面目ですけど。
今回この記事を書く事になった経緯はニュースやネット、新聞でさんま漁の通年操業の事をいっぱい目にしたからです。
ここ数年で今まで安価だった魚種が値上がりになっているケースをよく聞きます。さんまだけじゃないです。たこも、ニシンも、スルメイカもそうです。今やスルメイカなんて高級魚みたいなもんですからね。。。
一度するめいかの話になります。
皆さんは知っていますか?
するめいかが不漁で
市場価格も上がってきた時に
漁師さんが行った行動。
何だったと思いますか?
正解は
「いつも行かない漁場まで足を運び、根こそぎ漁獲する」
漁師さんは仕事上、漁獲量が収入に直結します。
【個体数が減っている=市場価値が上がる=高値で売れる】
この式が成り立っている以上、漁師さんも自分たちの生活の為が掛かっているので仕方ないところはあるのでしょう。
するめいかの寿命は2年くらいなんです。個体数が減っているという事は産卵する卵の量も減るわけでしょ?特に寿命の短い魚種だと一度、個体数が減ると持ち直すのが大変なんですよ。
うなぎの稚魚も年々漁獲数が減っていてうなぎはますます希少に。
でも毎年、土用の丑の日でうなぎを大量消費。挙句の果てには廃棄したりする企業も・・・。
本末転倒ですね。
漁獲量が減ったときに水産庁の出す対策。正直言って僕は嫌いなんですよね。
水産庁の方々が「魚が獲れなくなりました~。だからもっといっぱい漁にいってね~」「希少になったから値上がりだよ。希少だから食べてね」
正気ですか?
と。
じゃないと思うんですよね、漁獲量のコントロール、限りある資源を守ることが水産庁の役目だと思います。
僕の好きな水産物を守ってください水産庁さんお願いします。
秋の味覚が!?生の秋刀魚(さんま)が6月に並んでいるワケ まとめ
最後は方向性が少し変わってしまいました。すいません(笑)
秋刀魚が夏に並んでいる理由がなんとなく分かりましたでしょうか。
最後に記事を簡単にまとめておきます
まとめ
- 秋刀魚(さんま)漁が通年操業可能になった
- 通年操業の背景には温暖化と日本食ブームがある
- このままだと水産資源が危ない
今、日本の水産業は少しずつ衰退していると思っています。漁獲量を見れば一目瞭然です。
誇りある日本の水産業を守るには、国民一人ひとりの意識も大事にはなってくると思います。
水産庁頑張れ~~~!!
それでは、また~~~!